たったひとつの愛を君に



しばらく無言の状態が続いた。

頭の中はグルグルと色々な思考が巡る。

でもそれを声に出すことが出来なかった。

すると蜂が1つため息をつくと、

「星ちゃん、ごめん。あんなとこ見せて。まさか誰か来るとは思わなくて。軽率だった。」

私も謝らなきゃ。

でも口をパクパクさせるだけで声にならない。

「…いいよ、気にしてない。私こそ逃げちゃってごめんね。びっくりしちゃって。」

そう言うと顔を上げた星は笑っていた。


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