たったひとつの愛を君に



「そうか。自傷行為は辞めれそうか?」

母ももう知っていたから、お構い無しに担任は聞いてくる。

「最近かなり減りました。跡は消えないけど。」

そう言って腕を見せると、担任は少し安心したようで

「頑張ってるな。えらいえらい。」

まるで子供扱いみたいに私の頭を撫でる。

「もう、先生恥ずかしいよ!」

そう言うと私は自然と笑顔になっていた。


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