たったひとつの愛を君に
話し終えた私に、蜂は
「怖かったな。辛かったな。ごめんな、俺が来るのが遅れたばっかりに。寄り道なんてせずに来れば良かった。ごめん。」
蜂が謝ることなんかないのに。
悪いのはあの男なのに。
「けどな、俺その男が誰か見たんだ。俺が家に着く頃、丁度この家から出て来た男が見えた。」
私はその言葉を聞いてびっくりした。
犯人が分かるかもしれない。
分かったところでどうこう出来るとは限らない。
それでも何か罰せられるかもしれない。
そう思い蜂の言葉を待った。