星空を見上げて

ふっと意識が浮上し目が覚めた

「気がついたか」

「圭介さん」

起き上がろうとしたが止められた

「もう少し横になっていたほうがいい」

見ると彼の上着が私に掛けられていた


「ここは?」

「サービスエリアだ、急ぎ1番近い所に入った」

「・・・」

「葵、何があった?」

私は一瞬目を閉じ、ひと呼吸するとゆっくりカラダを起こした

「さっき事故現場を通ったとき事故車をちらっと見たんです
そうしたら急に動悸がして息が苦しくなった」

事故と言う言葉に彼の目が険しくなった

「もしかして思い出したのか?」

彼にそう聞かれ小さく頷いた


「私と涼くんは北海道に旅行することになってました
でも涼くんに急な仕事が入り初日に一緒に行けなくなった

キャンセルしようって言ったんですけど
あとから行くから私に先に行くよう言われたんです

でも本当は一緒に行きたかった
2人で空港に行き、2人で飛行機に乗り、2人で北海道に着いて
2人でホテルに行く

だけどそれを全部1人で済ませて

彼が来るのを1人ホテルで待つのは寂しかった
それが嫌で外出したんです

そのとき乗ったタクシーの運転手さんにオススメの観光場所を聞いて
そこに向かっている時、突然クルマが左右に大きく揺れて

一瞬何が起きたか、分らなかった

そのあとのことはよく覚えていません
誰かに何か言われてたのは分ったんですけど答えられなくて
握ってくれていた手を握り返すことしかできなかった

そのまま意識が遠ざかっていき、次に気がついた時は病院でした」


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