あなたと。




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いつもの仕事帰り。




"はぁ〜今日も疲れた〜!"




たまに気分転換をしたくて
いつもとは違う川沿いの道を歩いて帰る。



"昼は暑いけどまだ4月だし夜は涼しいな〜"





その川沿いの道にある
目立たない小さなバーの様なお店。







"なんか、暗くて入りにくそう。。"





それなのになぜか気になる。。。





いつも気にはなるけど入りにくそうで
目を向けるだけ。




" 今日も、通り過ぎてしまった。。"





そんな事を一瞬だけ思って
また家路にまっすぐ進む。




そんな同じ様な毎日を繰り返していた。









そんなある日。






営業スタッフとして働いてる会社に
今日も同じ様に出社する。



先輩は女性ばかり。


「おはようございま〜す」


「あ!雪ちゃん!おはよぉ〜♪
てか昨日のこの表さぁ〜これ計算ミスでお客さんに
文句言われちゃった〜!まあ全然いいんだけどさっ!」



不気味な笑顔で遠回しに文句を言うこの先輩。

気にしないようにしてるけどやっぱり苦手だ。。



「あや先輩すいません!次は気をつけますんで!」


自分でお願いしといて。。

まあ私も悪かったし次頑張ろう。



"うじうじしてられない!
まだお昼まえだし!"


そう自分に言い聞かせる。



"よし!帰ってビールだ!切り替えて頑張ろう!"




と、思ってたのに....



お願いごとやケアレスミスの嵐。。。



"なんて日なんだ!!!"










会社を出る頃にはぐったり。。



「お疲れ様でしたー。。」





いつも以上に重い足取りで会社を後にする。



はぁ〜、今日はうまくいかなかったなぁ。。




またあの川沿いの道で小さな風を感じながら
そんな事を考えていた。




そんな時ふとあのお店が目に入る。




"よーーし!今日は飲んでやる!!!"



勢いに任せた私は


重いお店のドアを開けたのだった。
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