年下彼氏と甘い恋
「ちょっと、陽太!待って!!」
「もう十分待った!26年も待ったよ!!」
「陽太は美女たちといればいいでしょ!?」
「俺は里佳子がいいんだよ!!」
その声は泣いているのかと思うほど震えていた。
いつもの陽太らしからぬ声だった。
陽太はそっと私を下ろす。
もはや抵抗すら出来ず呆然と陽太を見る私を見て、彼は暗がりの中弱々しく微笑んだ。
泣いているかと思うような笑顔だった。
「ごめんね、辛い思いさせて。
里佳子の言う通り、もっとはやく気付くべきだった。
俺は、里佳子のことがすごくすごく大切なんだよ」
そんな陽太に耐えきれなくなって言ってしまった。
「山下さんは私よりもずっと綺麗だよね?
それに、私みたいに笑い者にもならない」
笑い者という言葉を吐いて、愕然とした。
今日、私はあのビル中の視線を集めた。
惨めな女として。
そして、陽太はそんな惨めな女の彼氏になってしまったのだ。