aventure
「サッちゃんはどう思ったの?

その年の離れた父親と付き合う女の事。」

桜智は突然自分の事を振り返った。

今の自分のしてる事が人から見たら
彼女と同じだと思われることに初めて気づいた。

「年の離れた女と付き合ってた父を嫌だと思ったけど…

それが恋だったら仕方ないかなぁって。」

「恋?」

波瑠は少しカッとなって桜智に意地悪な質問をした。

「恋なんてあり得ないよ。

どうせ金目当てだと思わない?

サッちゃんはそうは思わなかった?

それに家族が知ったらすごく傷つくでしょ?

現にサッちゃんも傷ついたでしょ?」

桜智は自分の事を振り返って
確かにあの時傷ついた自分を振り返っていた。

そう思うと鴻の家族に申し訳ないとも思った。

しかし、自分は鴻に対して愛があると信じてる。

「そうかもしれないけど…

もしかしたらそうじゃないことも…

でも家族が許せない気持ちはわかります。」

「君はどうなの?」

「え?」

「お金に困ったら父親ほど年の離れた男でも寝られる?」

「本当に困った事が無い人にはわからないのかも。」

桜智は波瑠と話しているうちに
なんだか悲しくなって来た。

自分がどんなに肯定しても
他人から見たら不倫であり、
住んでるマンションや生活費を鴻が負担してるのは事実だった。








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