aventure
桜智は家の前でしばらく悩んでいた。

どうやって戻ろうかと考えてもいい方法が見つからない。

啖呵を切って家を出たのに
あっけなく数ヶ月で戻ることになってしまった。

母からそれ見たことかと言われるに違いなかった。

「桜智?」

偶然にも買い物に出ようとした母に見つかって桜智は逃げ出そうとした。

「待ちなさい。」

桜智の荷物を見て桜智が家に戻りたいとわかった。

「とりあえず入りなさい。」

母と同居してる男は仕事で居なかった。

「一緒に暮らしましょう。

一人でなんて無理だってわかったでしょう?」

母は二人きりだと優しくて桜智は上手く行く気がしたが、男が帰ってくるとその気持ちは変わった。

母は男にベッタリで桜智は不愉快だった。

それどころか男は桜智の事もいやらしい目つきで見てくる。

「お母さんに似て美人だな。」

そんな風に言われて腕を掴まれた。

「よろしくね。」

桜智の背筋が寒くなった。

桜智は遅くまでバイトをして
家に帰る時間を少しでも遅らせたかった。

深夜に家に帰ると
男が母に言い寄る声が聞こえた。

桜智は音楽を流しヘッドホンをしたまま眠った。

人の気配がして目を覚ますと
母の男が桜智のベッドの脇に立っていた。

桜智が驚いて声を上げそうになると
口を塞がれた。

桜智は思い切り男の股間を蹴り飛ばして
部屋から飛び出した。




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