aventure
「それで?いくら貰ったの?」

真緒は泣きながらやって来た桜智を部屋に上げて
桜智に起こった話を聞いた。

「100万。」

「へぇ、そんな端金で別れろって?」

「100万は端金じゃないよ。」

「だってオジサンと付き合ってたら桜智はもっといい思いできたのよ?

バカにしてるよ。」

「私が悪いのに?」

「そもそも奥さんが悪いから浮気したんじゃないの?」

「そんなことないよ!

ママはいつもパパを大事にしてたけど…パパは浮気したんだもん。」

「あのね、夫婦の仲なんて誰にもわかんないのよ?

妻に不満がなかったら浮気なんてしないんじゃない?

桜智の親のことだって桜智の知らないところで桜智のパパはママのせいで傷ついてたかもしれないじゃない?

だからって浮気はダメだけどね。」

「男の人はご飯ばかり食べてたら飽きちゃうのと一緒だって言うよ。

たまにはラーメンとかパンとか食べたいって。」

「男だって妻に満たされてたら浮気なんてしないよ。」

真緒の言い分もわからないではないが
桜智は男は女とはまるっきり違う生き物だと思ってる。

「男の浮気は病気みたいなもので
相手がどうこうって訳じゃないよ。」

「みんながみんなそうじゃないと思うけど…

とにかく部屋が見つかるまで置いてあげる。」

「ううん、いいの。

ママのところに帰る。」

「だって男がいるんでしょ?」

「何とか上手くやるよ。」

真緒は桜智の母が桜智を受け入れられるか心配だったが桜智は鴻の妻から貰ったお金をなるべく使いたくないのだと思った。





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