コガレル ~恋する遺伝子~



「ねえ、聞いてもいい?」

 しばらく気になってたことだ。

「何ですか?」
「何で処女だったの?
正直、あなたモテたでしょ?」

 弥生は俺の質問に焦って、キョロキョロと辺りを見回した。
 大丈夫、誰も聞いてないのは俺が確認したから。

「えっと…答えないとダメですか?」
「うん。教えてくれないと、エッチする度に気になると思う」

 弥生が頬を赤く染めて、俺の口を塞いできた。
 笑ってその手を剥がすと握りしめたまま、二人の身体の間に下ろした。
 弥生は諦めたからか覚悟なのか「ふぅ」と息を吐いてから話した。

「…高校は女子高だったし、大学時代はバイトに明け暮れてて」

「バイトは何したの?」

「家庭教師とか、バーテンとか、割が良いのを…」

 バーテンとか?
 マジか…いや、確かに弥生が酒は嫌いじゃないのは知ってた。
 どうりでバーの雰囲気にも慣れてる訳だ。
 バーテンについてもっと突っ込みたい、でもそれ以上に

「家庭教師って…」

 たぶん俺の頭の中の思考回路を先読みしたんだろう。

「女の子しか教えてません」

 あっそ。
 聞いてないのに勝手にそう答えた。
 まあ、その答えで正しいよ。

< 324 / 343 >

この作品をシェア

pagetop