極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「仕事のことはうんざりするほど考えてきたよ。少しくらい君のことを考えたって罰は当たらない」
赤くなった耳に軽く唇で触れてから、目元にもキスをする。
瞼の際を舐めていれば、彼女が擽ったそうに身を捩り顔を背けた。
それを追いかけて唇を啄めば、今度は彼女の手に邪魔された。
「ちょ、ちょっと……朝比奈さんっ」
「何。なんで邪魔するの?」
互いの唇の間、遮るように現れた彼女の手のひらにキスをしながら抗議する。
すると彼女は困ったように眉を八の字に下げた。
「だって、朝比奈さん昨日の夜からもうずっと」
「少しは眠ったよ」
「でもご飯食べたい。昨晩結局何も食べてないんですよ?」
もうお腹が空き過ぎて感覚がないです、と。
そう言われて少々のバツの悪さを感じながら、黙って彼女の手のひらに吸い付いた。
夕べ、本当はもっとちゃんと彼女をエスコートするつもりだったのだ。
彼女の気持ちを取り戻し、食事に誘ってゆっくりと開いた距離を縮めるつもりだった。
――三年経ってんですよ。こいつがずっと一人だったと本気で思ってんですか。放置しといてそれは都合が良すぎると思いますけど
――あんたがいない間に何があったっておかしくない。真帆は今は俺と付き合ってるとしたら?
信じられないくらい、頭の中が熱くなった。
深呼吸をして散り散りになった冷静さをかき集めたが、焼き切れそうな嫉妬はおさまらず。
真帆が僕を選んでくれても、寧ろそこで箍が外れた。
都合が良過ぎるのはよくわかっている。
彼女が誰かのものになっていたとして、僕に責められる権利などどこにもないし、そんなことは関係なくもう一度この手に取り戻したかっただけだ。
なのに、この肌に別の男が、伊崎が触れたのかもしれないと思った途端に、ぷつんと理性は飛んでしまい、食事も何も頭の中から選択肢が消え去ってこの部屋に浚ってしまった。
「……僕を煽った伊崎が悪い」
まるで子供のような言い訳だと、口にしてから後悔した。
だが、今思い出しただけでも激しい焦燥感に襲われるのだ。
たまらず僕を遮る彼女の手の指にひとつひとつ丁寧に舌を絡めた。