極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
少しだけなら、と誘いを受けて、彼女に連れられて入ったのは小さなバーだった。
こんなところにこんな店があったのかと、全く気が付かなかったくらいの小さな店構えだ。
彼女について入って、スツールに腰を落ち着けた途端。
「ここ、伊崎くんを騙くらかしたバーよ」
と言いながらくすりと笑ったので、思わずむっと眉を寄せた。
「騙した自覚はあったんですね」
「当たり前でしょう。どうとでも白を切れるように話してたつもりだったんだけど。迫力負けね、言い逃れが言葉にならなかったわ」
ふ、と溜息を落として頬杖を突く。
悪びれもしないが、こちらを挑発したいような風でもない、その横顔の真意を図りかねていた。
「ドライマティーニを」
カウンターを挟んだ向こうのバーテンダーにそう告げると、彼女の視線が私に向いた。
「あなたは?」
「えっ、あー、じゃあ……あまり強くないのを、柑橘系で」
ぱっと何も浮かばなくて、適当に好みだけを伝える。
急に言われても、普段チューハイだとかビールだとかばかりの人間には咄嗟に好みのカクテルなんか思い浮かばない。
こんなところにこんな店があったのかと、全く気が付かなかったくらいの小さな店構えだ。
彼女について入って、スツールに腰を落ち着けた途端。
「ここ、伊崎くんを騙くらかしたバーよ」
と言いながらくすりと笑ったので、思わずむっと眉を寄せた。
「騙した自覚はあったんですね」
「当たり前でしょう。どうとでも白を切れるように話してたつもりだったんだけど。迫力負けね、言い逃れが言葉にならなかったわ」
ふ、と溜息を落として頬杖を突く。
悪びれもしないが、こちらを挑発したいような風でもない、その横顔の真意を図りかねていた。
「ドライマティーニを」
カウンターを挟んだ向こうのバーテンダーにそう告げると、彼女の視線が私に向いた。
「あなたは?」
「えっ、あー、じゃあ……あまり強くないのを、柑橘系で」
ぱっと何も浮かばなくて、適当に好みだけを伝える。
急に言われても、普段チューハイだとかビールだとかばかりの人間には咄嗟に好みのカクテルなんか思い浮かばない。