極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「生涯隣にいる人を選ぶのよ。学歴や収入だって立ち居振る舞いだって、大事な基準でしょう? 私もそうなるように努力してきたし彼もそうだわ」

「……それは、そう、ですね」


確かに、結婚を意識して相手を選ぶならその通りではあるけれど、何か腑に落ちないのは彼女が余りにも極端で、そこに恋愛感情が見つからないからだろうか。


「なのに、特別なんかじゃない、替えの効かない人間なんていないって言われた時、頭を殴られたみたいだった」


少し頼りなげな声に、顔を上げて隣を見た。
二杯目のグラスを彼女の細い指が弄ぶ、その横顔は眉間に皺をよせ何かを考え込んでいるようだった。


「特別な人間を見る目で見られて、当たり前だと思っていたのにそんな人材は履いて捨てる程いるんですって」


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