いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
12.
「もうっ!信じらんない。ほんっとーにあり得ない」

驚きの応接室での対面から二時間後、私はまた涼介のマンションに連行されている。

地団駄を踏む勢いで文句をブチまけているのに涼介は全然気にしていなくて、それもまた悔しくて、更に文句が出る。

「まぁ確かに、ビジネス的に失礼な事したなって自覚はあるよ」

来る途中でテイクアウトしたサンドイッチをダイニングテーブルに並べながら、涼介が嘯く。その冷静な行動と言葉がまた、腹立つというのに。

「ビジネス的の前に大人として失礼だよ。部長が出来た人がだったから良かったけど」

会社を出る前のやり取りを思い出して、また自責の思いがこみ上げる。部長も営業さんも梨花さんも、大人対応してくれて、有り難くて申し訳なかった。
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