いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
でも反対に抱き締める腕は少しずつ強くなって、まるで私がいなくなることを心底恐れているみたい。そのアンバランスさが、固まったままだった私の心を溶かしていく。

「それってさ、もう偶然じゃないかも」

「え、いや、俺、後つけたりはしてないから」

「ふふっ。そうじゃなくて。『偶然も三回続くと必然』って知らない?」

ゆっくりと涼介の腕から身体を離して、不安げに揺れる瞳を見つめて話す。どうか素直な私の気持ちが伝わりますように、と願いながら。

「ーーー必然?」

「うん、必然。だから私、一人で考えて勝手に答えきめちゃうの、やめる。自分の気持ちを認めないのも、誰かを好きになった素敵な気持ちを否定するのもやめる。大人になったんだから、それくらい出来ないとね」
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