春になったら君に会いたい
途中から、涙がこぼれそうなのを必死に耐えていた。胸の辺りが苦しくなる。それでも、読むことは止められなかった。
のぞみはどんな表情で、この手紙を書いたのだろうか。インクがところどころ滲んでしまっている理由がわからないほど鈍感ではない。悟ってしまったのだ、自分が約束を果たせないことを。
約束を果たせないまま死なせてしまった。
涙を止めてあげられなかった。
もう笑顔を見ることができない。
もう一緒に話をすることができない。
辛い。
悔しい。
悲しい。
腹立たしい。
ふがいない。
……のぞみに、会いたい。
いろんな気持ちが溢れて決壊してしまった。
涙が止まらなかった。口から嗚咽が漏れた。体が熱い。頭が痛い。握りしめた左手からは血が出てきている。そうまでしても押し止められそうにない感情が、頭の中で暴れていた。