素直じゃないね
「あ、莉里。こっちおいで」
ふいに振り返った永瀬くんと目があって、いつも通りに迎えてくれる。
わたしもにこりと笑ってこたえる。
ぽんぽんと隣を叩いて、場所を作ってくれた永瀬くん。
その隣に立って同じようにテニスコートを見下ろす。
「今日は晴れてるから部活やっててよかったね」
「うん。雨続きだったから今日久々に見れる」
「そうだね、珍しく雨何週間も続いてたよね」
嬉しそうな声で話すなぁ。
いつだっけ。
今日みたいにこうやって並んでぼんやり外を眺めていた時、永瀬くんが言ったんだよね。
「俺、好きな子がいるんだけどさ」
そう言って教えてくれたのはテニス部の子ってことだけ。