素直じゃないね
「莉里はどんな奴なら興味持つんだよ」
カーテンの向こうのその瞳はわたしに向けられていた。
それだけでも、ドキドキしてしまうというのに。
今まで見たことないその表情に心が揺さぶられる。
なんで?
どうしてそんな……
困ってるような、辛そうな、そんな顔初めて見たよ。
「永瀬、くん……?」
「…………」
ふわりと髪を揺らしてそっぽを向く永瀬くん。
もうその視線の先はテニス部に向けられている。
永瀬くんの視線は、わたしじゃないあの子のもの。
顔も知らないその子に嫉妬してしまう自分に気づく。
さっきわたしの視界を遮ったようにこのカーテンを永瀬くんの目の前に持っていけば、気はこっちに引けるんだろう。
……って、
わたしはなに考えてるんだろう……。