素直じゃないね
「ん? あれ…? 永瀬くんの好きな子がいるって話は……あのテニス部の…」
「あれ、嘘だから。てかテニス部の女子とか知り合いにいないし、名前も知らない」
「う、そなの? 放課後ずっとテニスコート見てるし、嬉しそうにしてた……!」
ふはっと楽しそうに笑う声が頭上でする。
永瀬くんの声が近い。
いつも以上に。
胸の鼓動が静まることを知らない。
「テニス部を見てるからじゃなくて、莉里が隣にいるから楽しかっただけ。へー、俺そんな顔出てたんだ。ははっ、こんなわかりやすいのに肝心の本人は全然気づいてないし」
「えっ、そんなの……ある?」
「莉里ってほんと鈍感」