素直じゃないね


「ん? あれ…? 永瀬くんの好きな子がいるって話は……あのテニス部の…」



「あれ、嘘だから。てかテニス部の女子とか知り合いにいないし、名前も知らない」



「う、そなの? 放課後ずっとテニスコート見てるし、嬉しそうにしてた……!」




ふはっと楽しそうに笑う声が頭上でする。



永瀬くんの声が近い。


いつも以上に。



胸の鼓動が静まることを知らない。




「テニス部を見てるからじゃなくて、莉里が隣にいるから楽しかっただけ。へー、俺そんな顔出てたんだ。ははっ、こんなわかりやすいのに肝心の本人は全然気づいてないし」



「えっ、そんなの……ある?」



「莉里ってほんと鈍感」




< 30 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop