素直じゃないね


緊張しちゃって話しかけることでさえ精一杯なのに気安く触れるなんてできないよ俺は、って。


前に話してくれたこと今でも覚えてる。



永瀬くんが触れてくれるたび思い出しては胸がチクリと痛くなるよ。



こんな目の前にいて、

手を伸ばせばぎゅっと抱きつけるほど距離は近いのに。


願っている方へは距離を縮められないんだ。



「おー、上目遣いかわいい。写真撮っていい?」



「やだ……」



「もう撮っちゃったー。あはは、保存保存」



「もうー…」




なんでわたしじゃないんだろう。


どうしてだろうね。



永瀬くんの好きな子って自分じゃないのかって勘違いしてしまうほど、優しく触れてくるくせに。



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