鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
公開プロポーズの件は、あっという間に社内の人たちに知れ渡ってしまった。
年末年始の休みで時が経てば大丈夫かと思っていたけど、どうやら甘い考えだったらしい。
年明けも課長と私の話で盛り上がっているらしい。
「菜緒、大丈夫?」
「うん。今のところ大丈夫」
心配する園子に苦笑いしながら答えた。
社内のあちらこちらでジロジロと見られるものの、突撃口撃されることはなく、呼び出しされることも、意地悪されることもなかった。
「堂林課長が裏で手を回したのかしら?」
園子はニヤリと笑っている。
裏で手を回すって、物騒な感じがするけど、そこは敢えて突っ込まないでおこう。
触らぬ神に祟りなしだ。
「総務に住所変更の書類を出してきたよ」
「どうだった?」
「総務部長が直々に受け取ってくれた」
「総務部長が!?徹底されてるね」
これには園子も苦笑い。
多分これも課長が裏で手を回したってことなんだろう。