桜樺 -ouka-
大好きなものの封印



ただがむしゃらに走っていると、綺麗な紅に塗られた橋があった。





この時代は自然を汚すものが無く、空気は澄んでるし、なにより橋の下を流れる川が綺麗。





季節は秋らしく、オレンジや赤、黄色、緑色の葉が川に流れている。





『綺麗………』






すると遠くから、2人だろうか。賑やかな声が聞こえてきた。





「いやー、何度見ても美しい刀だ」





「試しに浪士でも斬ってみろよ?ガハハ」





笑いながら恐ろしい事言うな。





「だけどよぉ、この刀……なーんか変なんだよな」





「どこがだ?別に変わった所なんてねーと思うけど」





「いや見た目じゃなくてさ…この刀持ってからやけに胸が騒ぐんだよ」





「そら興奮してるからだろ」





「んまぁそうだな!」





「それに……」





何かを言いかけた時、男達の目に私の姿が映った。


< 28 / 230 >

この作品をシェア

pagetop