桜樺 -ouka-



「お?こんな時間に女が1人で。俺達と来るか?」






『いきません』






「遠慮すんなって〜」






そう言って男は肩を組んできた。






『やめてください』





すると男は瞳の顔を覗き込み、頬を舐めた。





『っ…!! 』






顔を話すと、男は舌をぺろりとして笑った。





「さぁて、人もいないようだし次は……」





抵抗しようた時、なにかがストんと堕ちるような感覚に陥り、身体が動かなくなってしまった。





『ぁ………』





「なんだ、抵抗しねぇのか」





「つーかこの妙な着物、どうやって脱がすんだ?」





「さーな。切っちまえばいーだろ」





男が取り出したのは刀。
それは鞘から柄まで、純黒な漆が塗られており、あの公園の桜を思い出させるような花弁が散りばめられている。





誰もが見とれてしまうような刀。


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