美魔女オネェに拾われたなら

そうして静かに?穏やかになって数日後。

仕事も休みの今日はあらかじめ出掛けると言われていたので、明さんが朝食の片付けをしているあいだに私も洗濯室で洗濯物を干していた。


「夏美!終わったらこっち来て」


「はーい!」

そう返事をして残り少しの洗濯物を干し終えると、呼ばれた洗面台の方に向かう。


「はい、じゃあまずコレに着替えて。そのあとメイクと髪セットするから」

そう言うと服を私に手渡すと、パタンと先に出た明さん。


見てみると秋らしいチェック柄のワンピースに、それに合う色のタイツがある。

イメージ的にはちょっとしっかりめの格好に、一体どこに行くのか少し疑問に思いながらも着替えた。


そして着替え終わった頃にドアをノックする音がしたので、

「どうぞ。着替え終わってるよ」


そう言うと入ってきた明さんはいつものラフさは無く秋らしい色のニットに黒のジャケットに黒のパンツで、どこの男性誌から抜け出てきたの!って言う格好良さ。


「さ、それじゃあうちのお姫様を綺麗にするか!」

鏡越しに見つめあって笑い合うと、明さんがヘアメイクを始めるので目を閉じた。


ホント、料理は上手で美味しくて。
美容に強くて、ファッションセンスもある。
そして、それを生かしてバリバリ仕事をして会社の運営もしている。
明さんって人として、かなりスペックが高い。

これで、稼ぎもあってイケメンで。
四十越えてて、大人の色気まで完備とか…


無敵か!?


多分、考えてるのがそのまま表情に出てたのだろう…。

「夏美、化粧してるのに目を閉じてても表情変わるんだな」

クスクスと笑いながらも、今はもうメイクが終わって髪をいじってる。

スピードも早いとか凄いな…。


「パチンっ。はい、完成!」


目を開けて鏡を見ると、そこに居たのは少し落ち着きある感じのメイクの清楚系美人だ。

「私じゃないみたい…」

思わず明さんのメイクの腕に絶句する


「これは元々の夏美から引き出したに過ぎないよ。夏美は何だかんだエドワードに似て美形だからね。しっかりメイクすればこうなるよ」

そうクスッと笑って言われた。
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