この世界は7で終わる
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昨日の雲は過ぎ去ったのだろう。清々しいほどに天気が良い。空気は冷たいけれど、今日は遠くまで行けるかもしれない。
長い髪を後ろで結う。目指す場所を定めず、その足先が促す方向へと進むだけだ。
私達は一泊した仮宿を出て昨日のように旅を続ける。
「見て、ルカ」
そして三時間程歩いた私の目には信じられない光景が広がっていた。
木箱に埋まって呑気に昼寝をするルカを起こす。そして同時にこの興奮する胸の内を解放するように勢いよくリアカーを引いた。
「うわ」
「すごい、」
急に速度を増したリアカーに驚くルカを他所に私は走る。あと一歩進めば色が変わるその際まで近づいて、その全貌を瞳の奥で捉えた。
なんて絶景。
「白い湖だ」
生まれて初めて、こんなにも美しいものを見た。塩で出来た広大な湖は太陽の光を反射して、より一層輝いて見えた。
地球の真珠、まさにそれだ。
「綺麗、」
「……世界は広いな、」そう言って私だけじゃなく、ルカもまたこの純白に覆われた景色に魅入られていた。