この世界は7で終わる
ーー・・そしてその塩湖の中心に立つ、一本の若木。
白を飾る緑。ううん、緑を飾る白なのかもしれない。
普通、植物は塩分に弱いと聞くが今見えるあれは違うらしい。10メートルにも満たない木がぽつんと一人佇んでいた。
「寂しそう」
こんな所に一本だけ。人ではないのにそう感じてしまうのは私達が終わりに向かっている証拠かもしれない。
「寂しそう?」
「うん、だってこんなところに一本だけだよ?」
「そうかなーー・・俺は嬉しそうに見える」
ルカはそう言って真っ直ぐその若木を見つめていた。その横顔が何故か印象的で、思わずルカの服を掴んだ。
先を走っていかれるような、私が置いていかれるような。
「ん?」
「……なんでもない」
焦燥感に近いこの感情を、私は必死に抑え込んだ。