この世界は7で終わる
「アトリ遅いぞ」
「いいじゃない、ルカの分はないんだから」
「……ケチ」
「はいヤコフさん」
「すまないね、アトリちゃん」
カシャン、テーブルに置いて飲んでくださいと促す。私もその向かいに腰を下ろしダージリンを堪能させてもらう。
「ルカくんも、すまないね」とヤコフさんはルカにまで謝ったりするもんだから。
「ルカはいいんです。お味いかがですか?」
「久しぶりの紅茶だ。とても美味しいよありがとう」
くしゃっと笑顔を私に向けるから私もつられて表情が緩む。
ずっと気を張っていたから、紅茶の香りも暖かい暖炉の熱も、鹿の皮で出来たソファーも安らきの効果があった。
静かに息を吐けば、ルカが私を見ていた。
「疲れたか?」
そう聞くから。
「疲れてないよ」
私は嘘をついた。これは正しい嘘だ。