この世界は7で終わる
私はまた前に向き直り、ルカを引いて進む。きっとこの先に海がある、そう確信して心が跳ねた。ーーー・・ちょっとだけ楽になる心地がした。
砂利道を進む。ガタガタと私もリアカーもルカも振動する。なるべく丁寧に運ぶつもりでも、こんな粗悪な道じゃ無駄な努力なのかもしれない。
それでも確かに香るこの香りに、私の足先は絶えずその方向を向いていた。
「アトリ、」
「うん」
「…悪ぃな、ほんと」
「大丈夫だから」
背を向け、私は進む。
「もうさ、」
「(言わなくていいから…)」
「ーーー・・何も感じない」
ルカには向かず、私は耐え切れず唇を痛いくらいに噛み締めた。
ーー・・ルカの身体はすでにその原型を無くしていた。
顔と首と、右手の肘から下、そして背中の一部。残っているのはたったのこれだけだった。後は見る影もない。
でも、指にはめられた指輪はまだ光っている。まだ大丈夫。そう思いたいだけの身勝手な願望だと笑えばいい。
「ルカ、大丈夫だよ」
私達は最後まで、らしくあろう。