この世界は7で終わる
ーー・・水平線から日が昇りきって、朝を迎えた。
虚ろになったルカの瞳。その奥に木肌が見えた。きっと、もうルカに私は見えていない。侵食していくそれはゆっくりと大きくなり広がりを見せる。その度にルカが飲み込まれていく。
「ルカ、」
私は自分の左手の薬指にある指輪を一度だけ撫でた。ヤコフさん夫婦に貰ったもの。もちろんルカにも。右手だけどしっかりとその指にはまっている。
「(まだ見える、)」
私は朝日を受けたまま、彼の右手を左で握る。そしてもう片方を彼の頬へと添わし指の腹で撫でてやる。
「アト、リ」
「ねぇ…ルカ」
「泣、くな、大丈夫、だから」
今になって溢れてくる涙は何の涙なのか。そんな私を繋がった指先で捉え、ルカは大丈夫と言う。見えないくせに私が泣いていると分かったらしい。
心なしか、合わさった指に力が込められた気がしたから不思議。もうそんな余力はない筈なのにーー・・どうして。