オードリー
彼女のこと
「しいちゃん、お待たせー!」
彼女はいつも綺麗な服を着て、ヒールを履いていた。
いつも綺麗なハンカチを持っていて、座る時は膝の上にハンカチを敷いていた。
香水は付けていない。髪も染めていない。
ナチュラルで凄くはつらつとして生き生きとしていた。

料理にレモンをかける時は、人にかからないように手を添えて絞った。
サラダなどを分けるのはいつも彼女だった。
彼女は無意識に気配りの出来る女性だった。

「オードリーは私の憧れなの」
彼女のメールアドレスにはaudreyが入っていた。

彼女の習い事は、着付けとピアノ。過去には乗馬もしていたらしい。
ちょっとしたお出かけには、着物を着て、髪も自分でアップにしていた。

「お兄ちゃんが結婚しちゃって、お嫁さんに、お兄ちゃんが取られた気分になって、妬いちゃったんだけど、今は姉妹みたいに仲良くしてるよ。」
家族と仲がいいエピソードもたくさん聞いた。

微笑ましくて、彼女の友達でいられる自分がとても誇らしかった。
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