ティールームの不思議な出来事
「どうして・・・」

 言葉は半ばで途切れてしまった。

 ポンポンと頭を軽く叩かれ、そっと髪の毛を撫でられた。

 その仕草までもが似ているなんて。

「ちゃんと終わりにしていらっしゃい」

 急に眠気に襲われて、目を閉じた。



 目の前で桜の花びらが待っている。

(ここは会社での花見をした公園だ)

 彼との出会いの場面だった。

 違う課も混ぜてやろうということになり、その別の課にいたのが彼だった。

 仕事上はまったく関わりがない課だったので、初対面だった。

「いい名前だね」

 みんなの自己紹介のあと、アルコールで少し赤く顔の彼が話しかけてきた。

「おい、抜け駆けするなよ」

「いいだろう?いい名前だからそう言っただけだろう?」

 他の仲間に向かっていく彼が可愛らしかった。

「これ、オレの電話番号とメールアドレス。会社内で会うことは少ないから、よかったら連絡くれよな」

 そう言ってメモを渡してくると、そのまま仲間のところへと走っていった。

 その日のうちにメールで連絡をした。

< 4 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop