太陽の光
『築山さあ…』
もう日が暮れて、あと一度で練習をやめようとしていた時だった。
木岡先生は、私からスッとバットを取り、
ピッチャー陣の方へ連れて行った。
なんだろう…。
『ちょっと見てて』
木岡先生は、休憩をしていたエースに、ちょっと投げてくれと、頼み、
軽く地面にバッターボックスを書いて、キャッチャーの前に構え始めた。
その時、先生が見せてくれたのは、
スラップという、数歩歩きながら打つという、左打者の小技テクニックだった。
『これ。これから練習していこう』
『難しそう…』
ただでさえ、今しっかり打ててないのに、
歩きながら打つのは
レベルが高い…高いよ。
『確かに、難しい。
けど、まだ2年だ。時間はある』
私は不安と少しプレッシャーを感じていた。
『築山は、足が速い。そんな武器を持ってるのに、生かさないでどうすんだ』
胸が熱くなった。
''おまえには足がある
この言葉は、
私の不安もプレッシャーも吹き飛ばすくらい、
力強かった。