腹黒王太子の華麗なる策略
瞬時に俺の姿に変身したのだろうか?

こいつ……何者なんだ?

そう考えていたところ、悪魔は自分の名を告げた。

『私の名はルシファー。呼んだのはお前か?』

俺を面白そうに見て、ルシファーは口の端を上げる。

ルシファーは悪魔の最高位。

一番強い悪魔が出てきた。

どうやら俺は悪運が相当強いらしい。

『ああ、そうだ』

ルシファーを見据え、フッと口角を上げる。

『お前、いい目をしているな。私を見ても恐怖を感じていない。気に入った。契約してやろう。だが、お前はその対価に何を差し出す?』

『俺の命』

迷いもなく答える。

ルシファーは腕を組み、しばし黙り込んで俺をじっと眺める。

自分と同じ姿をした奴と向き合うのはおかしな気分だった。
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