腹黒王太子の華麗なる策略
シャメル国王も私と同じことを感じていたようで……。

「噂では病弱だと聞いていたが、この反応の速さは魔力のせいか?」

シャメル国王はクリスと剣を交えながら、冷笑する。

「いいや。魔力を使わなくても、お前の太刀筋くらいわかる」

そう余裕顔で言ってクリスはシャメル国王の攻撃を軽く避ける。

「ほお?面白い」

シャメル国王はニヤリと笑った。

私には剣術のことはわからないけど、ふたりの動きには無駄がない。

どっちも強い。

でも、クリスの方が動きが素早くて、シャメル国王からあっという間に剣を奪った。

「シャメル国王、俺が魔力を使うのは、人を倒すためじゃない。守るためだ」

クリスはシャメル国王に向かって声を張り上げると、シャメル国王の剣を魔法を使って粉々にした。
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