腹黒王太子の華麗なる策略
「おのれ……クリストファー」

シャメル国王は歯ぎしりして悔しがる。

一方、クリスはモコの背に飛び乗ると、シャメル国王とフィオナに向かって言い放った。

「もしまた彼女に手を出せば、その時は手加減しない。覚えておくんだな」

クリスの言葉に驚きを隠せなかった。

今ので手加減してたって言うの?

……じゃあ、クリスが本気を出したら一体どうなるわけ?

「モコ、飛べ」

クリスが声をかけると、モコは私達を乗せ空に舞い上がる。

そんな私達をフィオナ達は忌々しげに見ていた。

いつの間にか雨は止んでいて、月明かりが照らす中、私達は空を飛んでいる。

怖くて下は見れない。

バランスを崩したら落下しそう。

ガチガチに固まりながらモコの毛を掴んでいたら、後ろにいるクリスがクスッと笑った。
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