ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「お前、俺によくそんな口が叩けるな。
この命令を断るのなら、詠美の派遣会社とは即手を切るし、その会社に相談されているある韓国企業との仲裁の話も今日の内に無しとする」
詠美は義理と人情は大切にする。
それは、小さな頃からそう教え込まれてきたから。
お客様、取引先は、神様だと…
詠美はそれよりこの大スターだったミンジュンが、こんな人間になり下がった事がショックだった。
でも、取引先は神様だ。
実家の煎餅屋が長い年月営業し続けられているのも、ご贔屓にしてくれるお客様と取引先のおかげだった。
…私の失敗で派遣会社に迷惑をかけるなんてとんでもない。
「分かりました。
ミンジュンさんの言う通りにします。
あ、あの… それじゃ…?」
ミンジュンはこの数分間の詠美の顔の表情だけで、何だかとても満足していた。
見ていて飽きない。
「それじゃ?」