ミンジュンが私を溺愛すぎる件
「テヒョンさん、ごめんなさい、遅くなって…」
あ~、ダメだ、泣きたくなる…
「あ、ぼくは、ぜんぜんだいじょうぶ」
テヒョンのたどたどしい日本語は優しさが溢れて聞こえ、詠美の心に沁みわたる。
すると、詠美の異変を察したのか、テヒョンが急に韓国語で話しかけてきた。
「詠美、本当に大丈夫か?
ミンジュン兄さんに、何かされたとか?」
詠美は驚いて首を大きく横に振った。
「大丈夫です… ありがとう。
ミンジュンさんは、とても親切にしてくれる…
なんか疲れたのかな…
今日は特に忙しかったから。
でも、テヒョンの笑顔を見たら元気になった。
じゃ、ここからは、日本語で話すからね」
テヒョンはそんな風に強がる詠美を見て、とりあえず分かったふりをして頷いた。
テヒョンにとっても、詠美の存在は今の日本での生活の癒しになっている。
今日だって運転手として、ジノにこき使われた。
ジノはテヒョンの歳の離れた兄であり、その兄はテヒョンを一流の俳優にするためにテヒョン以上に意気込んでいた。
詠美は今日の出来事を上手に質問形式でテヒョンに聞いた。
テヒョンはつっかえながらも、面白おかしく詠美に今日の感想を話した。