ミンジュンが私を溺愛すぎる件



「ミンジュンさんが笑うのが嫌いなのなら、極力笑わないようにします」


ミンジュンは驚いて詠美を自分の元へもっと引き寄せた。
長い両方の足で詠美を挟み込むと、今度は長い両腕を広げて詠美を抱き寄せる。


「俺は、詠美の笑った顔が大好きなんだ…
笑わないだなんて言わないでくれよ…

そして、出来る事なら、その笑顔は俺だけに向けてほしい。
分かった?」


詠美はポカンとしたまま、ミンジュンの胸の中に抱かれている。
ミンジュンさんって、もしかして、私の事が好きなの…?
詠美はそう思い出したら、急激に恥ずかしくなった。
ミンジュンの魅力にあらがえない自分がいる。

気を許したら、私はミンジュンさんの底なし沼に嵌まってしまう。
好きにならない方が難しいよ…
だって、いつもはおっかないくせに、こうやって私を抱きしめて愛を囁くんだもの…

詠美は自分の溢れ出るミンジュンへの愛に溺れそうになる。
でも、詠美はそれでもまだ半信半疑で、抱きしめられている胸の中からミンジュンの顔を覗いて見た。

ほら、また怖い顔になってる…

ミンジュンは怖い顔のまま、詠美を更に力強く抱きしめた。


「詠美…
必要以上にテヒョンと仲良くなるなよ」


ミンジュンさんは、大人のようで子供みたい…
何もかも手に入れて満たされているはずなのに、寂しさと不安な心が見え隠れする。
何が足りないのかな…?
お金では買えないものなのかな…



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