【BL】好きになってよ。
結局、立ち止まったあの場所から普通に歩けば10分で着くけいちゃんの家に、けいちゃんに荷物を持ってもらいながら20分かけて到着した。
「やっと着いたな」
「ごめん...」
「いや、別に時間ないわけじゃないし
それに俺も走らせちゃったしな
...ちょっとムカついて」
「え?」
最後の方がうまく聞き取れなくて聞き返す。
「いや、なんでもない。気にすんな」
「わかった」
けど、笑顔で躱されてしまった。まぁ、あんまり気にしなくていいことなんだろう。
「ほい」
「ありがとう」
けいちゃんからコップを受け取る。
中身はどこにでもある麦茶。でも、疲れた体に染みて、すごく美味しい。
「ふぅ」
「よし」
「ん?」
けいちゃんが僕の顔を見つめる。
「どうしたんだよ」
「え?」
「早く言えよ」
あぁ、しんちゃんのことか。てっきりにらめっこ始めるのかと思っちゃったよ。
「しんちゃんのことでいいんだよね?」
「いや、お前の重荷になってること全部言っていいけど」
...惚れるよ!?
どんだけ優しいんだよけいちゃん。