【BL】好きになってよ。
「...僕の重荷になってるのはまぁご察しの通りしんちゃんのことなんだけど」
「だよな」
「僕さ、しんちゃんに告っちゃったんだよね」
「は?」
〝キモ〟
しんちゃんに悪口言われるのは慣れてるはずなのに、どうやらこの言葉だけは僕の心臓に刺さったままみたいだ。
「ご、ごめん気持ち悪いよね!」
さすがに幼なじみ両方にそれを言われるのはハートが砕けちゃう。
保険をかけるみたいに自分で言う。
自分で自分を傷つけるだけになっちゃってるのに、何が保険なんだろう。
「なぁ」
「えっ、な、なに?」
下を向いて言われたから、ちょっとびっくりした。
な、何か怒ってるのかな...?
「それさ、慎也に言われたの?」
「それって?」
「〝気持ち悪い〟って」
「うん」
やっぱり、痛い。言われる度ズキズキする。
「はぁ、あいつ、どんだけ不器用...」
「え、どうしたの?」
「いや、なんでもねぇよ
安心しろよ?気持ち悪くなんてねーからさ」
「えっ、あ、ありがとう」
にこりとしてけいちゃんが言う。
「むしろそうやって一生懸命言ってくれたなら好きになっちゃうだろうし」
「そ、そうかな?」
向かい側にいたけいちゃんがいつの間にか隣に来てる。