日だまりの雨
わたしの勝手な感情で送ったメールを、雨音はこんな風に受け取ってしまうんだ。



こんな風に大切に……。




「日咲っ」



突然抱きついたわたしに、驚いたように声を上げる雨音の手が遠慮がちに頭を撫でてくれた。





雨音の優しさで、独りぼっちの夜がすぅっと温かい気持ちで満たされた。




「……雨音っ」


「えっ?」



雨音の名前を呼び掛け顔を見上げたわたしは初めて、




「ありがとうっ」




作り笑顔じゃない笑顔で雨音を見上げていた。
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