日だまりの雨
「……最初はそうだったよ。陽光くんと違って独りぼっちの雨音に同情して、嘘ついた。好きって……」
言いたかったことはこんなことじゃない。
でもきっと、綺麗事ばかりを並べ立てた告白じゃ届かない気がした。
「別れる言い訳の為に雨音の傍に行った。……やっぱり合わないって言えば、別れられるって思ってたから」
自分でも酷いことを言っているのはわかってる。
でも、これが本音。
偽善者ぶったわたしの、汚い本音だった……。
「なのに……雨音はっ、いつも真剣にわたしに……気持ち伝えてくれるから……」
段々と雨音の隣が心地良くて、気が付けば……わたしが雨音の手を求めていた。
「雨音を好きになってた。……雨音が大好きなのっ」
どこまで雨音に伝わっているかはわからない。
ぼやけた視界に映る雨音は全然表情が変わらない。
「重たいよ……俺。一緒に居ると」
やんわりと拒んでくる言葉とは裏腹に、雨音はわたしの手を引き、自分の正面に座らせた。