日だまりの雨
「ねぇ。やり直しして良い?」




何のことかわからずきょとんとする雨音に、




「わたしは、槙原 雨音くんが好きですっ」




はっきりとした声で告げる。



同情でも偽善でも無い。
今なら、心から雨音が好きだって言える。




「俺も好きだよ……ずっと日咲が」





雨音のずっとには、わたしが栞を拾った日からの長い時間が込められている。




わたしたちが、嘘と偽善と同情で初めてしまった関係も……。




でもきっと、三日前までのあの時間が今を大切に感じさせてくれている。




遠回りはしたけれど無駄じゃない大切な時間。




傷付け傷付き合ったけど、だからこそ言えること。




「わたしは、雨音が必要ですっ」






頷いて抱き締めてくれる雨音の温もりが、
ずっとわたしから離れないように……。




お日様の与える温もりと、
雨の与える潤いと……二つは必ずどちらも欠けてはいけない。




雨音が自分を雨と言うなら、わたしは喜んでお日様になる。



だって二つは、掛け替えのない存在だから。






-Fin-
< 81 / 81 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:9

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

庭師とお姫様 (naturally番外編)

総文字数/25,234

恋愛(純愛)70ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
クロチェ国の女性親兵シェナが、マーセル国の第三王子リューシュに見初められ、彼の元に嫁いでから半年。 シェナの主であったクロチェ国第四王女ミリザ姫は、彼女の幸せを喜びながらも、心満たされない毎日を過ごしていた。 ※『naturally』に出て来たミリザ姫のその後のお話です。 (『natural source』の三章の内容とも絡んでいますので、先に目を通して貰えると嬉しいです)
『natural source』(naturally番外編)

総文字数/46,879

恋愛(純愛)95ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あれから十数年……。 リューシュとシェナが紡いだ時間に、新たな未来が刻まれていく。 ※『naturally』の番外編になります。 舞台は十数年後の未来。 二人の間に授かった子どもたちの物語になります ・Ⅰ章 長男シューゴ編 ・Ⅱ章 次男ランシェ編 ・Ⅲ章 長女シュリ編 (番外編ショートストーリー有)
『naturally』

総文字数/26,291

恋愛(その他)58ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
二人は出逢うべくして出逢ったのか……。 国境も身分も越えて、初めて愛した人。 ※8/17加筆、修正しました。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop