契約書は婚姻届
「連絡……」

お昼ご飯を食べてからこっち、ずっと悩んでる。

ちなみに、土曜もあれから、日曜も夜眠るまで尚一郎がべったりだったから、名刺に気づいたのは今日、お昼ご飯を食べる前。

尚一郎にはノベルティをもらったことは報告したが、
「好きにしたらいいよ」
と中は確認しなかった。

「奥様。
本日のお茶はいかがいたしますか?」

「リビングに行きまーす」

野々村の声に、慌てて返事をする。
ぼーっとテレビを見ていたら、こんな時間になっていた。

尚一郎はあれから、朋香の希望を聞いてテレビを部屋に入れてくれた。
さらにはオンデマンド契約もしてくれたので、いつでも映画やドラマを楽しめる。

……ただ、朋香ひとりのために80型の8Kテレビという、常識を越えたサイズではあるが。
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