契約書は婚姻届
「ワフ!」

なんだか、
「それって浮気じゃないの?
尚一郎に失礼よ!」
などと云われた気がする。

「わかってるんだけどさー。
でも、相談できる人は欲しいっていうか……」

現在、朋香に相談の出来る相手はロッテ以外いない。

明夫や、工場のおばさんたちに相談してみることも考えたが、心配をかけるだけだとやめた。

友人関係の連絡先はばっさりと切り捨てられ、新しい携帯には一件も登録されてない。

「とりあえず、連絡だけだったら大丈夫だよね……」

「ワフ!」

ロッテに抗議されている気がするが、気にしないことにする。

だいたい、ロッテは尚一郎びいきだから。
早々に気に入られた朋香は珍しいのだと、尚一郎は笑っていた。
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