契約書は婚姻届
そんな考えが浮かんできたが、慌てて深読みしすぎだと追っ払う。
「うるさい、うるさい、うるさい!
黙れ、尚一郎!」
達之助の顔がどす黒いくらいに赤くなって、まずいと思った。
そろそろやめた方がいいんじゃないかとそっと尚一郎のジャケットの裾を引くか、気付いてないのか……無視しているのか。
「僕を、昔の僕と同じように見くびらないでいただきたいですね」
「なおれ、尚一郎!
叩き切って……」
後ろに飾ってあった日本刀を手にかけ、立ち上がりかけた達之助だったが……ドン、大きな音を立ててそのまま後ろにひっくり返った。
「行こう、朋香。
もう用は済んだようだし」
立ち上がった尚一郎に手を引っ張られ、朋香も立ち上がる。
隣で自分の夫がひっくり返ってるというのに、相変わらず祖母――自子(さだこ)は何事もないように座っていて、得体が知れない。
「うるさい、うるさい、うるさい!
黙れ、尚一郎!」
達之助の顔がどす黒いくらいに赤くなって、まずいと思った。
そろそろやめた方がいいんじゃないかとそっと尚一郎のジャケットの裾を引くか、気付いてないのか……無視しているのか。
「僕を、昔の僕と同じように見くびらないでいただきたいですね」
「なおれ、尚一郎!
叩き切って……」
後ろに飾ってあった日本刀を手にかけ、立ち上がりかけた達之助だったが……ドン、大きな音を立ててそのまま後ろにひっくり返った。
「行こう、朋香。
もう用は済んだようだし」
立ち上がった尚一郎に手を引っ張られ、朋香も立ち上がる。
隣で自分の夫がひっくり返ってるというのに、相変わらず祖母――自子(さだこ)は何事もないように座っていて、得体が知れない。