契約書は婚姻届
「……外人とまともに話をするだけ無駄なんですよ」
ぼそりと呟かれた言葉に、自子に食ってかかりそうになったが、尚一郎に手を引っ張られてやめた。
朋香たちと入れ替わりに数人が入ってきて達之助を介抱しているのを視界の隅に、座敷をあとにする。
裏口に回ると、すでに高橋の運転するアウディが待っていた。
車の中で、窓の外を見ている尚一郎をちらちらと窺ってしまう。
朋香の視線に気付いたのか、困ったように尚一郎が笑った。
「CEOも自分の年を考えればいいのにね」
握られた手をぎゅっと握り返す。
悪いのは尚一郎じゃない。
弱みを作った自分の方だ。
尚一郎の弱みにならないくらい、強くなりたい。
屋敷に戻ると大村が簡単な昼食を用意してくれていた。
本邸で食事が出るには出たが、あんな状況でまともに食べられるはずがない。
「とーもか。
膝枕してくれないかい?」
ぼそりと呟かれた言葉に、自子に食ってかかりそうになったが、尚一郎に手を引っ張られてやめた。
朋香たちと入れ替わりに数人が入ってきて達之助を介抱しているのを視界の隅に、座敷をあとにする。
裏口に回ると、すでに高橋の運転するアウディが待っていた。
車の中で、窓の外を見ている尚一郎をちらちらと窺ってしまう。
朋香の視線に気付いたのか、困ったように尚一郎が笑った。
「CEOも自分の年を考えればいいのにね」
握られた手をぎゅっと握り返す。
悪いのは尚一郎じゃない。
弱みを作った自分の方だ。
尚一郎の弱みにならないくらい、強くなりたい。
屋敷に戻ると大村が簡単な昼食を用意してくれていた。
本邸で食事が出るには出たが、あんな状況でまともに食べられるはずがない。
「とーもか。
膝枕してくれないかい?」