契約書は婚姻届
店に入り服を選ぶと、困惑している朋香とともに侑岐は試着室に押し込んだ。
ドアの外では店員が侑岐に振り回されているようだ。
着ろと云われて渋々着替え、試着室のドアを開けるとつかつかと侑岐が寄ってくる。

「んー、もうちょっと丈が短い方がいいわねー。
じゃあ、次はこっち」

「はあ」

再び押しつけられた服を手に試着室のドアを閉める。
視界の隅に見えたのは、何枚も洋服の掛かったラックと、疲労困憊気味な店員。

「着替えた?」

「えっ、あっ」

まだ返事もしないうちに侑岐にドアを開けられた。

なめるように上から下まで朋香を見ると、唇をきれいな三日月型にしてにっこりと笑う。

「それ、いいわね。
そのまま、着ていっちゃいなさい。
……店員!
これをもらうわ!
あと、そのラックの服、全部包んどいて!
……朋香、次、行くわよ!」
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