契約書は婚姻届
不安げに揺れる瞳が憂いを帯び、女の朋香でも魅了されてしまいそうなほど、美しい。

「侑岐!
朋香をどうする気だ!」

足音荒く近づいてきた男が、朋香の頬にふれていた侑岐の手を掴む。
その手の持ち主をたどって視線を上げると、息を切らせた尚一郎が立っていた。

「残念。
ナイト登場ね」

ぱちんと朋香に向かっていたずらっぽくウィンクをすると、侑岐は完全に開き直って尚一郎の手を振り払った。

「どうするもなにも。
女同士でショッピングを楽しんでただけだけど?
ねえ、朋香?」

「あっ、はい」

そうなのだ、なにをされるのかあんなに怯えたのに、結局やっていたことはショッピング。

「尚一郎こそ、どうしてこんなところにいるの?
まさか、朋香をストーカーしてたなんて云わないわよね?」
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