契約書は婚姻届
「だから朋香は僕のものだって云っただろう?」

「エー、だって私、もっと朋香とお話ししたいしー。
それに、あの話の返事、しなくていいの?」

「うっ」

意味深に笑う侑岐に、尚一郎が黙った。

完全に弄ばれている気がするのは気のせいだろうか。

尚一郎は一呼吸おいてはぁーっと諦めたかのように大きなため息を落とした。

「わかった、場所を変えて話をしよう。
ここじゃ目立ちすぎるから」

「……そうね」

……とうとう三人の周りには、携帯片手の人垣ができていた。


 
場所を変えると決まったまではよかったが、どっちの車に乗るかでまた揉めた。

「朋香は私と一緒に行くの!
ねえ、朋香?」
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